建設業許可とは
500万円以上の工事を請負う場合、建設業の許可が必要です。(建設業法第3条)
この許可は、個人・法人や元請・下請にかかわらず必要なもので、業種別(29業種)の許可制度になっております。建設業の専門化、技術の高度化に対応する為、29業種に分けています。
建設業とは(法第2条)
建設業とは、元請、下請、法人、個人に関係なく「建設工事の完成を請け負うことを営業とする」ことをいいます。なお、ここでいう請負とは、雇傭、委任、委託、建売住宅の販売などとは基本的に異なる考え方になっていますので御留意ください。
建設業の許可(法第3条)
建設工事の完成を請け負うことを営業とする者は、建設業法に基づく許可を受けなければなりません。許可は、元請、下請、個人、法人等に関係なく必要なもので、29業種ごとに受けなければなりません。
新たに建設業を営もうとする者
→営業を開始する前に許可を受けることが必要になります。
現在許可を受けている者
→許可の有効期限が満了する日の前30日までに、許可の更新手続きが必要になります。
許可を受けている業種以外の業種を追加して営業しようとする者
→追加しようとする業種を営業する前に新たに許可を受けることが必要になります。
一般建設業から特定建設業に切り替えようとする者
→特定建設業に切り替えるためには、新たに許可を受けることが必要になります。
許可を受けなくても請け負うことができる工事(法第3条)
次の軽微な建設工事のみを請け負って営業する者は、必ずしも許可を受けなくてもよいこととされています。
→ア 建築一式工事以外の工事の場合には、工事1件の請負代金の額が500万円に満たない工事(金額には消費税等を含む)
→イ 建築一式工事の場合には、工事一件の請負代金の額が1,500万円に満たない工事(金額には消費税等を含む。)又は、
延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅工事(主要構造部が木造で、延べ面積の半分以上が住宅用)
ただし、次の工事を営む場合は建設業の許可が不要の軽微な工事でも、他法令により登録等を行う必要があります。
浄化槽工事
→請負金額に関わらず「浄化槽工事業」の登録又は届出が必要になります。
解体工事
→請負金額に関わらず「解体工事業」の登録が必要になります。
ただし、「土木工事業」、「建設工事業」若しくは「とび・土木工事業」のいずれかの許可を受けている場合は登録の必要はありません。
許可を受ける要件
建設業の許可を受けるためには、次の5つの要件をすべて備えていることが必要となります。
①経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること
→イ許可を受けようとする建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
→ロ国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者
②営業所ごとに専任の技術者を有していること
→イ許可を受けようとする建設業に係わる建設工事に関し、所定の学科を修めて、
高等学校を卒業した後5年以上の実務経験を有する者
又は同様に大学若しくは高等専門学校を卒業した後3年の実務経験を有する者
→ロ許可を受けようとする建設業に係わる建設業に関し10年以上実務の経験を有する者
→ハ国家資格者等
③請負契約に関して誠実性を有していること
→請負契約に関して不正又は不誠実な行為をする恐れがない事が必要。
④請負契約を履行することに足る財産的基礎又は金銭的信用を有していること
(一般建設業の場合 下記いずれかに該当することが必要)
→イ自己資本額が500万円以上
→ロ500万円以上の資金の調達能力を有すること
→ハ過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
(特定建設業の場合 下記全てに該当すること)
→イ欠損の額が資本金の額の20パーセントを超えていない事
→ロ流動比率が75パーセント以上であること
→ハ資本金の額が2,000万円以上であり、かつ自己資本の額が4,000万円以上である事
⑤欠格要件等に該当しないこと
→成年後見人等の欠格要件がある。
建設業許可を取るには、いろいろな条件や添付書類があります。個人が行うには、かなりの労力が必要になるでしょう。行政書士は、この様な書類作成のプロです。また、建設業を主要な業務としている行政書士でも、建設業経理士1級を取得している人は少ないようです。必ずお役に立てると思います。お気軽ご御相談下さい。